Wren
Wave Memory Oscillator
概要
Wrenは、8種類のユーザーバンクに自由に波形を保存・選択できるウェーブメモリー音源です。各波形は32ステップ/5ビット解像度で構成され、USB経由でPCから直接書き込みが可能です。さらに、各バンクには異なる モジュレーション(音色変化効果) を割り当てることができ、パッチング不要でバリエーション豊かな音作りを実現します。
コントロールと入出力

No. | 各部名称 | 詳細説明 |
---|---|---|
1 | ゲート入力 | ハードシンク機能、立ち上がりで位相リセット |
2 | 出力 | アナログ出力、10Vpp |
3 | ピッチ CV | 1V/Oct対応、キャリブレーション済 |
4 | ピッチ ノブ | ピッチの微調整 |
5 | セレクト CV | 波形バンク選択(0〜7)、CV範囲に応じてスムーズに切替 |
6 | セレクト ノブ | 波形バンク選択の手動調整 |
7 | モジュレーション CV | モジュレーション量、最小でOFF |
8 | モジュレーション ノブ | モジュレーション量の手動調整 |
9 | インジケータ | 現在のバンクを色で表示、USB接続中は暗く点灯 |
10 | USB-C ポート | 編集用コマンド受信、波形書き込み用 |
音色とモジュレーション
各バンクに割り当て可能な モジュレーション効果(Modulation Type) は以下の通りです。モジュレーション CVの値によって効果の強さを連続的にコントロールできます。
モジュレーション CV = 最小でOFF/最大で100%適用。
モジュレーション名 | 効果の説明 |
---|---|
Wavefold | 入力信号を折り返して倍音を生成します。クラシックなウェーブフォールディング風のサウンドに。 |
Overflow | 振幅のオーバーフロー(折返し)により、クリッピングとは異なる歪みを作ります。 |
Bitcrush | 出力の解像度を粗くし、ローファイなデジタル感を付加します。 |
Phase Distortion | 位相の読み取り位置を歪ませて、原波形の動きに変化をつけます。 |
Resonance | レゾナンス成分を加えて、音に独特のピーク感とうねりを追加します。 |
波形の書き込み・編集(Wren Editor)
波形エディタは以下のURLで利用できます: 👉 https://hugelton.com/tools/wren-editor
主な機能
- 8バンク分の波形編集(32ステップ × 5bit)
- USB接続されたWrenへ直接書き込み/保存
- 各バンクのモジュレーションタイプ選択
- 波形の読み出し、プリセットのロードなど
(エディタの使い方は別途説明)
よくある質問
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波形の内容は保存されますか? → モジュール内に保存されますが、保存処理(SAVE)が行われていないと電源OFFで消去されます。
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出力はユーロラックレベルですか? → はい、出力は約±5V(10Vpp)でそのまま使用可能です。
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変調をOFFにするには? → モジュレーション CVを最小にすると適用されません。ノブやアッテネータで調整してください。
仕様
基本情報
- 品番: S215
- 製品名: Wren Wave Memory Oscillator
電気的仕様
- 電源: DC ±12V(16ピン Eurorack規格、5V系統無使用)
- 消費電流: +12V: 150mA、-12V: 10mA(理論値)
- 出力レベル: ±5V(10Vpp)
物理仕様
- パネル幅: 8HP
- 奥行: 25mm
- 重量: 120g